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AIに使える補助金・助成金7選|経営者向け実務ガイド

AIに使える補助金・助成金7選|経営者向け実務ガイド

結論から言うと、AIの学習費用やツール導入費用は、国の制度を使えば個人なら最大8割、企業なら経費の75%が手元に戻ってくる可能性があります。ただし「申請すれば必ずもらえる」ではなく、制度ごとに要件・手続きの順番・期限が細かく異なります。この記事では、個人向け3つ・企業向け4つの制度を、熊本の中小企業オーナー・店舗経営者の視点で整理します。

1. まず知っておく:助成金と補助金はまったくの別物

「補助金・助成金」とひとまとめに語られがちですが、性格がまるで違います。厚生労働省が管轄する「助成金」は、要件を満たして正しく手続きを踏めば原則として支給される仕組みです。一方、経済産業省・中小企業庁系の「補助金」は公募制で審査があり、予算枠が尽きれば採択されません。「もらえるらしい」で動き始めると、この時点でつまずく経営者が非常に多いです。

もう一点、どちらの制度も「申請=受給確定」ではありません。人材開発支援助成金の公式パンフレットには「計画届を提出したことをもって、助成金が確実に支給されるものではありません」と明記されています。国自身がそう書いているという事実は、実務上とても重要です。制度の数字や要件は変更されることもあるため、必ず最新の公式情報を確認するようにしてください。

2. 個人・働く人が使える3つの制度

一つ目は「教育訓練給付制度」。雇用保険に加入して働いている人、または離職後1年以内の人が対象です。AI・データサイエンス系の講座の多くは、給付率が最も高い「専門実践教育訓練」に分類されており、修了だけなら受講料の50%、さらに資格取得・就職・賃金上昇の条件を重ねると最大80%が給付されます。「8割」はあくまで複数条件をすべて満たした場合の上限であり、修了しただけでは8割にはならない点は要注意です。また専門実践は、受講を始める前にハローワークで手続きを完了させる必要があります。この事前手続きを飛ばすと、要件を満たしていても1円も出ません。

二つ目は「教育訓練支援給付金」。専門実践教育訓練を受ける45歳未満の人が、訓練中に失業状態にある場合、生活費として基本手当日額の60%相当が支給される制度です。ただし通信制・eラーニング中心の講座は対象外で、令和8年度末(2027年3月末)までの暫定措置という期限があります。三つ目は「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経産省)」。転職を前提とした在職者向けで、修了時と転職・1年継続就業確認後を合わせて最大56万円の負担軽減が受けられます。お金は個人の口座ではなく事業者側に補助される仕組みなので、実際の負担額は各事業者に確認が必要です。

3. 企業が使える助成金2つ:社員研修費を最大75%回収

企業向け助成金の柱が「人材開発支援助成金」です。「人への投資促進コース」は、AI・デジタル分野の高度な訓練を社員に受けさせた場合に、中小企業なら経費の75%+賃金助成1人1時間あたり1,000円が支給されます。対象講座はITSS・DSS-Pレベル3〜4の資格取得課程や、経産省認定の第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)などです。個人が教育訓練給付で使えるオンライン講座と重複するものも多く、「本人が受ければ受講料の最大80%、会社として受けさせれば経費の75%」という選択肢の比較が実務上は重要になります。

もう一つが「事業展開等リスキリング支援コース」。新規事業立ち上げやDX化に伴う訓練が対象で、経費助成75%・賃金助成に加えて、訓練に必要な設備投資費の50%を加算する「設備投資加算」が使えるのが特徴です。AIを学ばせるためにPCや機材を購入するコストも射程に入ります。ただしこのコースは令和4〜8年度の期間限定制度で、2026年度が最終年度にあたります。延長されるかどうかは現時点では不明なため、使う予定があるなら早めに動くことをおすすめします。

4. 企業が使える補助金2つ:AIツール導入費を半額以下に

「デジタル化・AI導入補助金2026」は、旧IT導入補助金が2026年から名称変更した制度です。AIを含むITツールの導入に対して補助率1/2以内(賃金引上げ要件を示した場合は2/3以内)、最大450万円が補助されます。SaaS型のAIツールであればクラウド利用料2年分まで対象になる点は、月額課金のツールを複数使う事業者にとって大きなメリットです。ただし「汎用ツールのみ」では申請できないという要件があり、業務プロセスに紐づいたソフトウェアを1種類以上含める必要があります。ChatGPTを単体で申請、といった使い方はできません。

「中小企業省力化投資補助金(一般型)」は、AIを含むシステム構築や設備導入が対象で、補助率1/2〜2/3、最大1億円という規模の大きな制度です。国が「生成AIを活用した事業計画例集」を公開しているほど、AI活用を前提とした申請が現在は通りやすい状況にあります。補助金全般に言えることですが、採択には事業計画書の質が直接関係します。CRKでは、AI導入の検討段階から計画整理のご相談(AI導入相談50,000円〜)も承っています。補助金申請前の整理にご活用ください。

まとめ:制度より先に「自分はどの立場か」を確認する

7つの制度を整理すると、「いま在職中か離職中か」「個人として学ぶのか会社として使うのか」「転職が前提か現職でのスキルアップか」という3つの軸で使える制度が大きく変わります。個人で学びたい在職者なら教育訓練給付、転職も視野なら経産省のキャリアアップ支援事業、企業として社員に受けさせるなら人材開発支援助成金、AIツールを導入するならデジタル化・AI導入補助金、という大まかな整理が出発点になります。

どの制度も、手続きの順番を間違えると要件を満たしていても受給できないケースがあります。制度の数字や公募スケジュールは変更される可能性があるため、この記事の情報は概要把握にとどめ、実際の申請前には厚生労働省・中小企業庁・各ハローワークの最新公式情報を必ず確認してください。「どの制度が自社に合うか分からない」という場合は、まず専門家や支援機関に相談するのが時間のロスを最も減らせる方法です。

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